47つの都道府県
1741つの市区町村
4917つの有人無人あわせた大小様々な島々
1億2679万人が暮らす我が国。
※参照資料:総務省ホームページ
どこにいっても共通するのは
食べること
飲むこと
住むこと
そして
・
・
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着ること
青空イーザッカマニア計画
これは、一通のお葉書から始まったとてもとても壮大な、私たちの夢がたくさん詰まったちょっと無謀なチャレンジのおはなし
波照間島にて感じたこと
波照間島に到着して感じたことがいくつかあった。
まず、5月だというのにアツい。太陽の日差しがとても強い。
緯度がだいぶさがったんだな、という印象。
そして、とにかく海が綺麗。
ロケハンに行った時にマヤさんに『今日はちょっと水がにごってる』といわれたが、これ以上透き通ったらどうなってしまうんだってくらいに澄んでいた。
▼写真だとどうも伝わらないと思うけど超綺麗(厚い雨雲のことは気にしないで)
そして、“いわゆる観光地”という印象が全くないということ。
もちろん観光できている人もいる。
人口が500人に満たない波照間島では、その受け皿は決まってしまっているから、自然と観光客の人数を制限できるようになっているからかもしれないけれども。
ただ、波照間島に到着して真っ先に感じたのは、観光地というよりも波照間島で暮らしている人の生活感だった。
私が生活をしている東京は約1億4千万人弱がぎゅうぎゅうに暮らしている。
マンション住まいだからかもしれないけれども、ぎゅうぎゅうで人が暮らしているのにも関わらず、ほんのたまにしか『衣・食・住』を感じることはない。
それは散歩に出かけた時や、帰り道で聞こえてくる
木のまな板をたたく音だったり、お母さんが『もう~!!』と怒っている声だったり、偶然通りがかった家にただいまと入っていく人を見たときだったり・・・
なにかしらのきっかけみたいなものがない限り感じない類のものなのだが、この小さな島におりたったときに、小さな公園を見たときに、島の人たちを見たときに不思議と、ここで暮らしている人たちの『衣・食・住』を強烈に感じた。
それは周りを海に囲まれた、周囲14kmの小さな島だからただ単にどうやって生活しているんだろうという興味があっただけなのかもしれないし、私が『衣・食・住』のうちの一つを仕事にしてるからかもしれないし、これまでの短い期間ではあったが、ここで暮らしている人たちの『衣』のことを考えていたからかもしれないし、観光できたわけではないからなのかもしれないが、いずれにしても、その不思議な感覚を常に感じていた。
衣・食・住の“衣”のこと
私たちの会社は洋服を扱っており、それを売って商売をしている。
たまにふと、洋服って何だろうと考えることがある。
考えるといっても、小難しいことや哲学的なことではなのだけれども、例えばstylingLABにご予約していただいたお客さまとのやり取りの最中だったり、LABの最中だったりに『洋服ってすごいな』と思うことがあるのだ。
もともと私たちは猿から進化したといわれている。
全身を体毛に覆われていた時代から、環境の変化に対応することで4本足から2本足で大地に立つようになり、脳が発達していき道具を使うようになり、そのうち環境に合わせる形で体毛がなくなり、いわゆる『洋服』というものを着るようになった。纏うといったほうが適切だろうか。
そしてその頃から生きていくというか生活を営むために『衣・食・住』というものは必然になったのだろう。
体毛の代わりだったはずのものは、『洋服・ファッション』と呼ばれるものになり、“衣”は自分を守るもの【必要であるからこそ機能的であるべきもの】から自分を表現するもの【必然的で機能性があり、そして感情的なもの】に変化していった。
もちろん、この世の中には洋服なんてなんでもいいっていう人もいる。現に私の弟なんかはそういう考えの持ち主で、洋服に対しての欲はほぼないといつも断言している。でも、そんな彼だって、ちょっと色が褪せたりしてきたら洋服を買い換えているし、外気に合わせてより快適に過ごせる様なものを選ぶわけだし、洋服に疎いとはいえ、この柄にこの柄をあわせたら変だよな的な感覚はあるわけだし、ピシッとしなければならない時はピシッと見えるモノを着ているし、旅行の時は動きやすいモノを着ている。
私にとってはそれも十分感情的な事ではないかと思えるのだ。
何が言いたいのかと言うと、物凄い飛躍するけれども洋服に興味がない人は実はいないって事。
そしてそれは何歳になっても、どこにいても。
だからこそ、私達は想いを込めて洋服を作り、洋服を売っている。
かつて体毛の代わりだったものが、進化する過程でファッションという文化になったのと同じような道のりで、これから先ファッションはかつての体毛の代わりようなものに『進化』していくかもしれない。それは誰にもわからないけれども、洋服の楽しさだったり、前述したそのすごいなと感じる瞬間だったりそんなものを一緒に売ることができたなら、ファッションという文化は、体毛方向とは逆側に『進化』していくかもしれない。
そんなチャンスをたくさん自分たちで作りたい。
洋服屋さんがないこの小さくてとてつもなく綺麗なこの島でも。
明日は私たちの初めてのチャレンジ。
そして、それはチャンスでもあるわけだ。
島の皆さんは来てくれるだろうか?
誰も来てくれなかったらどうしよう。
ここに来るまではそういう不安が私の中を占めていたが、波照間島に到着し、ここで暮らす人たちの『衣・食・住』を常に感じていたらその不安は違うものに変わっていた。
ここに暮らす女子たちのテンションをあげられるだろうか。
洋服というモノを通じて私たちのこの想いが彼女たち、ひいてはこの島で暮らす全ての人たちの感情を動かす事が出来るのだろうか。
ロケハンが終わり、明日の準備が終わった瞬間に浅野が雨を降らせた後にちょっと遅めの夕飯をとった。
ほろ酔いの頭の中は明日の事でいっぱいだった。