ズーティーBOOK

価格と価値

先日『なんであさのさんところはそんなに安く売ってるんですか?』とある人に言われました。

たしかに安いものもたくさんありますけど、理由もなく《安く売っているも の》はあまり心当たりがありません。

ってか、安いの定義ってなんだ(笑)※1

「安い」の理由

まずは元々安いもの。

コレに関しては特に安売りはしていないけど、パッと見た目に『おお、安いねぇ』と思ってもらえているので、無駄に消費されないものであればいいんじゃないかと今は思っています。そういうものが利益もきちんとあって、作り手にもなにかしらの恩恵が生まれているのなら(ただ諸問題あるのだけど)あくまで、今のところ。

 

そして、困ったほうの安い理由。

在庫がいっぱいで困ったとき。できるだけこうならないようにがんばりますが、ファッションはナマモノなのでそうもいかないことが多いのでツラい。

例えば黒やグレーだけがさっさと売り切れて、ピンクのSサイズだけ100枚も残ってしまった!という時は、タイムセールやイベント時にすごくお得にお買い物していただ けるようになったりします。もちろん利益はないことが多い。若しくは大赤字。ツラい(笑)

じゃピンクを作らなきゃいいじゃんって言うかもしれないけど、無難なものだけの世の中なんて楽しくないやん。

売れ筋のものだけ売るならわたしじゃなくてもいいやん。

でも、これも多くの課題あり。

小売の使命

ま、今年は冬に気温が思った以上に下がらず、去年の春から生産の計画を立てて作っていたものがそりゃーもーまったく計画通りに売れてくれなくて、大変なことになっていました。

メーカーさんから仕入れているモノも完全100%買取なので、売れないと大変なのです。

この冬は業界的にも大ピンチの年でした。

 

とはいえ、ウチのお店はナショナルブランド※2 はすべてプロパー販売。

そこは、そのブランドが『価値』として値段をつけているので、尊重して販売することが小売りの使命だと考えているからです。

ただ、それが価値として感じられないものについてはブランド側に伝えていきます。

そして、わたしたちがプライベートブランドを作る理由は《付けたい値段がある時》と《メーカーさん が作ってくれない時》です。

小売の価値

モノの価格は原材料費やコストだけで決めるものではありません。

作った人や、売る人が『このくらいの価値を感じて買って欲しい』という意思そのものが値段なのです。

1000円でも欲しくないものをがんばって900円で売ってもいらないものはいらない。

でももしかすると500円だとすごく価値があって欲しくなるものかもしれない。

それはすごく難しい選択だし、型にはめて考えられないことだと思っていて、何年やっても正解がわかりにくい。500円で利益が出るように作るべきなのか?それとも1000 円でも納得できる価値を伝えることができないのか?

 

わたしは少しでも価値を伝えたい。少しでも工場の人たちが幸せになれるようにモノを作りたい。

作り手が想いをきちんと込められるように大切に売っていきたい。

 

そして、価値を感じてもらえるモノを作るために一緒に力を尽くしたい。

自分たちで価値を作っていきたい。

 

だからお客さまがなにを求めてくるのかを先回りして作り手に伝えていきたい。(求めて『いる』ものじゃなくて、求めて『くる』ものを)

それが小売の価値だと思うから。

この価格帯を担う責任を背負ってたい

そして『高い』だけがその価値ではないことも証明したい。

これは反論があると思うけど、でもね、安くて素敵なモノもこの世にはたくさんあるから。中途半端に《安物》を作らないように努力したいのです。

この価格帯を売る人として、プライドを持ってやりたい。

『この値段ですごいなー、使えるなー』って言ってもらえるものも大切に売りたい。

テキトーに作っても原価1000円、一所懸命心を込めて作っても 原価1000円なら、わたしは後者だ。

そして、それらを作る人たちにも得られるモノがあるように一緒に考えていきたい。そういう人たちと仕事がしたい。

それはわたしたちにしかできないことだと思って勝手に《使命》を感じてるのです。

 

今はまだできていないことも多いけど、世の中に『楽しさ』を生み出すためにわたしたちの会社がこの世に必要だということをスタッフが感じられるようなチームを作りたい。

 

この価格帯を担う責任を背負ってたい。

洋服を着る楽しさ(全部が全部、高くて手が出ないだとさみしい)を伝えているんだということをこうして自分自身にも繰り返し言い続けたいのです。

わたしたちのお店は決して『安いもの』を売るお店ではありません。

『安くてステキなモノ』も『ちょっと高くて節約しなきゃ買えないモノ』も世の中の女子のテンションがちょっとあがるモノを伝えていくお店だと思っています。

※1やす・い【安い】 [形][文]やす・し[ク]
1. (「廉い」とも書く)他に比べて、また普通より値段が低い。安価である。 「―・い買物」「―・く あがる」「給料が―・い」⇔高い。
2. 価値がない。軽々しい。「―・く見られる」
3. 心がおだやかである。落ち着いている。

※2 ナショナルブランド 全国的知名度のあるメーカー・ブランドのこと

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創業メンバー ●めんどくさがり●異常に忘れっぽい●普通がキライ●趣味を探すのが趣味●かっこいいアウトドアギアに萌える●世の中のオンナノコのテンションがちょっと高めだと世界が平和になると思って生きています。

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